リスク管理(マネジメント)という言葉をご存知でしょうか?
ざっくり言うと、まず何がリスクなのかを特定し、頻度(それがどれくらいの確率で発生するのか)と影響度(発生した場合どれくらいの損害が出るのか)を掛け算して評価し、そのリスクが発生した場合に備えて対策を打っておく、という感じの考え方です。
これをLyceeに置き換えて考えてみます。
この場合スヴァローグは4ハンドキャラクター、いわゆるファッティ(大型キャラ)なので、除去がリスクであると考えます。
ここで除去カードの一つとして
山の翁を考えたとします。
後攻初手で山の翁がやってくる頻度について考えます。
山の翁の全体の採用数は56枚に対して雪単使用者が19名なので、概ね3枚程度は採用されている感じです。
山の翁をマリガン基準としたときに、マリガン込みで引かれる確率は58%くらいと考えると、東京フェスタにおける後攻で相手が山の翁を握っている確率は約9%となります。
次に影響度ですが、これは実際に何度も試合しないと中々評価が難しい所だとは思います。
スヴァローグが山の翁に除去された、という事実だけで見ると1ハンド5:3DMG2が相手の場に出現しているのでかなり不利ではありますが、デッキ相性として日単と雪単では、神姫1.0環境においては日単側が有利なので絶望的と言える状況まではなっていない、という感じです
次に山の翁以外のカードのリスクについて考えます。例として今度は
ハデスのリスクを考えます。
東京フェスタにおける神姫宙単の使用者は2名、仮に採用が両方4枚としても後攻ハデスの確率は1%程度です。
次に影響度ですが、ビートダウン同士でファッティを消されるとかなり辛く、
バアル経由の場合などはほぼほぼ勝負を決してしまうくらいの手ではあります。
最後に、念動力のリスクについて考えます。
宙単の使用率は27%、使用者33名に対して総数が53枚なので概ね1~2枚程度は積まれている計算です。
このカードの場合は初手ではなく途中で引いた場合も機能しますし、また類似のリスクとして宙単だと
常陸茉子+
ご褒美や
矢来美羽などが存在します。
なので通常宙単を相手にする場合は、攻撃宣言対応でキャラが移動してきてバトルダウンを取られるリスクが結構あると考えて問題ないと思います。
影響度は実質除去なのでかなり辛いと考えていいでしょう。
以上の3つのリスクについて比較すると、
山の翁 = 頻度 中 × 影響度 中 = リスク 中
ハデス = 頻度 極小 × 影響度 大 = リスク 小
念動力+α = 頻度 大 × 影響度 大 = リスク 大
という風に考えられると思います。
そして対策についてですが、山の翁とハデスについては、スヴァローグを出してしまった時点でもうどうしようもありませんので、スヴァローグを出すか出さないかを判断する事になります。
この場合、ハデスは影響度が大きいですがほぼ出されることはないので、リスクとして考えなくていい、という事になります。
山の翁を出される約9%のリスクについては、人によってリスクが大きいと取るか小さいと取るか分かれる部分だと思います。
念動力などのバトルダウンについては、
看板娘などメタカードの採用によって対策することが可能です。
スヴァローグを初手に出す前提であれば、頻度と影響度からリスクを鑑みると、対策していなければ出すのは危険と考えていいでしょう。
今回は初手スヴァローグのリスクについて考えてみましたが、Lyceeはどのような手であっても一手一手ごとに様々なリスクが存在しており、試合を有利に進めるためには、その度にリスクを正確に評価して行動を決めなければなりません。
上記はフェスタの結果から(ざっくりとですが)確率を出していますので、実際の試合で出来る方法ではありません。
ですが、大事なのは全てのリスクを網羅して正確に数値化してリスク評価を行う事ではなく、
「どのようなリスクが存在するのか想像し、頻度と影響度からリスクを評価して行動を決める」
というのを普段から意識して行う事だと思います。
勝ち続けているプレイヤー程このリスク管理が非常に優れており、いわゆるプレミをほとんどしないだとか、ケアがしっかりしているというのは、リスク管理がしっかりできている、という事だと思っています。
正解の手なんかは、相手や自分の引きなど運によって変わるので努力だけで辿り着けるものではありません。
ですが、リスク管理をしっかり行っていれば、正解や、正解に近い手を打ち続ける事ができます。
Lyceeにおける中級者と上級者の壁はこのリスク管理の精度の差だと私は考えていますので、次記事以降はリスク管理の考え方や、リスク管理が重要になってくる場面について解説していきたいと思います。